数年前の空間
このところ夕方に散歩をする際、学校が始まったら行く事が出来ないコースを回っている。

受験を始める前まで歩いていた道だ。

普段はすっかり忘れてしまっているのに、数年ぶりに歩いていると、突然当時の事を思い出す場所があり、その度に驚かされる。

といってもそれは、必ずしも印象の深い場所ではなくて、歩道橋のペンキが剥げた箇所や、ベンチに座った時に見える家の屋根、砂利道を歩いている時の足の裏の感覚だったりするのだけど、そういった刺激が当時の不安や迷い、喜びや興奮などを呼び起こしてくれるのだ。

そして、それらを感じるたび、数年前の空間が今もずっと存在しているような気分になる。

別の人生が幾つも平行して存在していて、その分岐点にいる自分と対話しているような、不思議な感覚だ。

そういった場所や当時の自分に向かって「受験が終わったよ」と、挨拶と言うか、感謝をするような気分で散歩をしていると、ここ数年の事が少しずつ整理され、ようやくひと段落という気持ちになるのである。

もっとも、まだ挨拶しに行かなければいけない場所が残っているので、今月中に色々と挨拶しに行かなければ…。

人ではなく、場所に挨拶をしに行くって変なのかな。

ですがきっと私だけでなく、多くの方がそういう思い出の場所があるのだろうと思う。

それとはまた別に、最近参考書の整理もしている。受験が終わった直後にも整理したのだが、まだ捨てられず残っているものも多かったのである。

やはり色々と書き込んであったり、お世話になったものは捨てづらい。

これらも残しておけば、後になって忘れてしまった当時の「何か」を思い出す一つになるかもしれない…。そう思うと、余計に捨てづらいのである。

とは言うものの、狭い我が家で全てを取っておくのは難しい。

捨てて後悔するのと、捨てないで後悔するのだったら、皆さんはどちらを選びますか?

テーマ:日記 - ジャンル:日記

[2009/09/07 21:54] | 日記 | page top
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